白黒。/ヨルノテガム
リしながら歩き疲れる
何も考えないで歩き続ける
もうふたりばかりの皆のことを
考えたりして、欠伸したりして、
声は出さずとも黒い空の下の
電灯の優しさを仰ぎ見ている
どこを歩こう
どんなに歩こう
もう歩いている
不思議に
歩いてしまっている
おかしくなるくらい
歩いて
おかしくなるくらい
幸せに
どこを歩こう
*
ひよこがね 歩いていくよと 子どもは言う
ひよことね 合奏するよと おじいは言う
歩くから 見ててごらんと ひよこは歩く
ひよこがまた 歩いてゆくよと 子
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