白黒。/ヨルノテガム
 
リしながら歩き疲れる
何も考えないで歩き続ける
もうふたりばかりの皆のことを
考えたりして、欠伸したりして、
声は出さずとも黒い空の下の
電灯の優しさを仰ぎ見ている
どこを歩こう
どんなに歩こう
もう歩いている
不思議に
歩いてしまっている
おかしくなるくらい
歩いて
おかしくなるくらい
幸せに

どこを歩こう





 *




  ひよこがね 歩いていくよと 子どもは言う



  ひよことね 合奏するよと おじいは言う



  歩くから 見ててごらんと ひよこは歩く



  ひよこがまた 歩いてゆくよと 子
[次のページ]
戻る   Point(2)