ノートの上で/番田 
 
僕は皆無だ
何かの消滅した
自分ではなくなっていった 空なのだ
消滅した そんな
空なのだ 流れていくようなものとしての

海ではなく何も物語りはしないだろう
そんなノートは 口づけをしているように
君の僕が
角としての空へと すきま風となる黒色に
コオロギの鳴く大声を聞きながら

今日もなんということもなく 海辺にもたれている
言葉の数としてではなく 文字で
その意味として 消えゆくことへと
誰かとして そうしている

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