それが地球の速さなら/吉岡ペペロ
 
夜を雪がゆっくりとゆく

フケのような

ボールが止まって見えるような

それが地球の速さなら

自転がとっても速いような


女の泣いている気持ちは

少年のとまどう気持ちに似ている

優しくされるたび

ふたりはなにを期待したのだろう

寄せてかえす波の調べを

ゆくりなく見つめてみたとて

宇宙のからくりは入ってきやしない


夜を雪がゆっくりとゆく

フケのような

ボールが止まって見えるような

それが地球の速さなら

自転がとっても速いような
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