『骨』/東雲 李葉
積み上げたものを崩すのは容易く
失ってしまえば戻らないものばかり
作り物みたいな寝相が少し 怖くて
呼吸を口で確かめた あなたは今、確かに生きてる
月明かりだけがこの世界の光源
あなたの鎖骨にかぶりつきたい
たおやかな指で髪を撫でて
余韻を含んで笑う ああ、この感情を何と呼ぼう
美しい時間は共に過ごした証と
いつかこの夜を思い出せるだろうか
あなたは何時までここにいるだろう
失ってしまえば戻らない 肉は朽ちて血は乾き
仄白い皮膚だけが真白い骨に貼り付いて
それはそれは珍しい生きてた形
呼吸を忘れさせないように
その口を塞ぐ獣 人形を愛せぬ、獣
積み上げたものを崩すのは容易く
失ってしまえば戻らないものばかり
作り物みたいな寝相が少し怖くて
呼吸を吻で確かめた 鎖骨を撫でると、微かな、声
戻る 編 削 Point(2)