『骨』/東雲 李葉
 
積み上げたものを崩すのは容易く
 失ってしまえば戻らないものばかり
  作り物みたいな寝相が少し 怖くて 
   呼吸を口で確かめた あなたは今、確かに生きてる

月明かりだけがこの世界の光源
 あなたの鎖骨にかぶりつきたい
  たおやかな指で髪を撫でて
   余韻を含んで笑う ああ、この感情を何と呼ぼう

美しい時間は共に過ごした証と
 いつかこの夜を思い出せるだろうか
  あなたは何時までここにいるだろう
   失ってしまえば戻らない 肉は朽ちて血は乾き

仄白い皮膚だけが真白い骨に貼り付いて
 それはそれは珍しい生きてた形
  呼吸を忘れさせないように
   その口を塞ぐ獣 人形を愛せぬ、獣

積み上げたものを崩すのは容易く
 失ってしまえば戻らないものばかり
  作り物みたいな寝相が少し怖くて 
   呼吸を吻で確かめた 鎖骨を撫でると、微かな、声
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