コリント人への手紙/
吉岡ペペロ
愛しいと夜にこだまする
部屋のなかで
ふたりだけ肉を狂わせる
孤独のふりを
凍りのふりを
いじめられたい場所に気づいて
興じてひらいた聖書には
避妊の抜け殻が
コリント人への手紙のうえに
夜明けまでせつなくなるには
体力だけでも
知力だけでも
素直な欲望にふたりで気遣う
水みたいになった液は
男のも女のも
興じてひらいた聖書には
避妊の抜け殻が
コリント人への手紙のうえに
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