風たちの手紙/かんな
どこかで人々の笑顔が咲いている
そんな風に思っています
わたしたちの役割はそんな季節を運ぶこと
わたしもいつまでもその役目を果たそうと思っています
それではこのへんで
また来年のあなたのお手紙楽しみにしています
冷たい季節を運ぶあなたのこころが
いつまでもあたたかくありますように
秋の風より
何度も読み返す北風は嬉しそうにしていて
また来年に向けての返事を考えているようです
秋風からのお手紙にこころはあたたまるばかりなのです
北風が肌をかすめるけれど
実はあたたかさを置いていっているのかもしれない
お元気ですか
わたしはスニーカーをブーツに履き替えて
冷える耳を覆うためホワイトの帽子をかぶります
首もとにはグレーのマフラーがあたたかい
季節のたまり場に立ち寄って
風たちの声に耳をすましてみています
わたしの首すじを撫でてゆく
なんだかこそばゆい風を感じながら
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