宵の記憶/ogawa hana
 


窓の外は真っ暗で、では部屋の中はどうかというと、これまた深淵のような、重力が不自然に働いているような錯覚がおきる場所だった
だからテレビが一日中つきっぱなしで、わたしの視野がますます狭くなるのを確認しに小人が、わたしが眠る前にいそいそとやってきて、3本の電話線をひっこぬいてはケタケタ笑う。でも、今時時代は携帯だから、電話線がなくても通話できます、小人たちに教えてあげたい。そして、その電話線でわたしの首をしめたほうがはやいです


昔あそんでいたあの子の体がひんやりと冷たくて、相性は性格よりも好みよりも体温なんだなと思わずにはいられなかった。広げた敷物の上で「おかえりなさいあなた、き
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