そんな言葉には
騙されないよという彼がいて
だから私は
ああ
こんな言葉では
信じてもらえないのだなと笑って
求められているのは
私の本質だろうか
生き方だろうか
もしかして
全部だろうかと風呂場で思い至り
愛してると
好き
の
ちょうど間、綺麗に折れる線の
その上に乗っている優秀な言葉を探していた
疑えば
なにもかも
楽になるんだろうか
信じれば
なにもかも
輝くんだろうか
繋ぐお互いの真ん中にある親密な沈黙を
愛していたら
駄目なんだろうか
人といたら
自分なんかどうでもよくなって
きみといたら
自分を大事にしたいと思って
それいじょうに
蔑ろにしているきみの香るような青さを
抱いて眠りたいなと
ぼんやり雨にうたれて考える
かなしくないよ
なんにもないよ
ずぅっとずぅっと
くぃるくぃると鳴いてる私の部屋の灯りだけが
なんだかとても
淋しそうだ