パンク(夜がゼリー)/ホロウ・シカエルボク
血液を見たことがあるかい
死なない程度に、いやいっそ死ぬ程度に
ビーカーに溜めて検分しておくれ
お、お、お、採血の幻想
シリンダーがゆるやかに俺を吸い上げる
俺のささやかな喪失、だけど
それは当然の流れとして認知されているんだぜ
椅子に腰をおろしていると
足首を掴まれた気がして
慌てて身を引いた
床から、伸びた手には見覚えがあったよ
いま、ここで
キィボードを叩いているそのものだよ
亡霊の亡と忘却の忘は似て非なる、だけど
完全なる一致など存在しない、この世には
完全なる一致など存在しない
ぼろぼろこぼれおちた身体のかけら
塵とどれ
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