いろあそび/あヲ/笠原 ちひろ
 
あをによし
奈良のみやこの若葉の頃は
群青 縹(はなだ) 甕(かめ)のぞき
藍濃淡(あいのうたん)に夜が明ける

瑠璃(るり)玻璃(はり)きらり
渡来の品を
荒海こえて持ち帰る


栄華の空のかたすみで
報われぬものはいつの世も
闇夜にまぎれて草枕




青梅噛んでコロリと逝った

青梅噛んでコロリと逝った





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