ち へ い へ/……とある蛙
地平線の彼方に大きな夕日が沈む
地平線の見える大地など、僕の住んでいる街には無いのに。
無いのだが、地平線を僕達は確かに感じとることができる
感じ取ることができるので
僕は地平線に向かってゴミゴミとした露地を歩いて行く
できるだけ真っすぐ歩いているのだが
何とは無く露地は R をがあり、夕日の沈んだ地平線とは
随分違った方向に向かって俯いたまま歩いていたのです。
着いた先に立ち食い蕎麦屋があったので
天玉蕎麦を頼んで、そこで働いているバイトに尋ねた。
「地平線はどっちにあるの?」
バイトは
「僕はバイトだから分かりません」
「一日中歩き回っているカドの野良猫にでも
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