腐ったツナサンド/虹村 凌
いるドライフラワーになった薔薇を思い出していた
まるでミイラみたいな色になってぶら下がっているそいつらを
何故急にあのドライフラワーを思い出したのかはわからない
ただ目の前のキャラメルマキアートを飲みたくなくなって
隣の席の奴にくれてやろうかと考えていたら
そいつが薔薇のタトゥーをしていて
アパートのテーブルに飾ってある薔薇が腐って行くのが辛いとか
そんな事を唐突に思い出したんだ
あのドライフラワーは今もぶら下がっているんだろうか
100ドル札が全面にプリントされたキラキラしたパーカーを羽織って
何時かあの映画のチョウユンファみたいに
100ドル札に火をつけて煙草を吸
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