夕日/蒼木りん
 

眼を泳がせてる少年
母親は少し知恵遅れで
しょぼい男に騙された
冬の寒さに
心まで冷たくならないように
凍えて眠らないように

ゴミ収集車の音がする
アルミ缶やペットボトルの日
この一年金がないから
ビールもジュースも飲まない
ゴミも出ない
酒癖の悪い年寄りの
報いは腫瘍の数だけ
特大の焼酎の瓶も
今は様ないね

黒雲は
豆台風が家の中に居る所為さ
意地悪な顔した捻くれ者の
腹の中の蟲下し
憎い憎いの
我がこころの滑稽さ

わたしは太陽
君の見る空を青くする
気づかなくていい
高い空からわたしが見ている
気づいたら
わたしは赤い夕日になってしまう



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