部屋/番田
何も もう思考する
ことのない 僕が
僕の中のどこまでもそうさせられていく
思考を ひとり 手にしている
言葉の物語を紡ぎ出そうとしては
失敗している そうしてまた
出そうとする 言葉の物語の暗さに
そのような失意に落とされていく
なにひとつとして 無い部屋で
なにひとつとして 無い夢を
なにひとつ手にさせられないとして
暗闇を言葉として口にすればいい
男は 美しい女の手のひらを
その存在ではなくする 男の言葉の
夢として その体に
どこまでも白い休日の公園を歩いていく
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