ノーバディ・ノウズ・ユー ーバブルー/……とある蛙
 
どんどん低くなり、
視線がどんどん低くなり
見える範囲が狭くなり、

目に見えるようになった腫瘍は
すごく大きなものだった。
腹の辺りにまとわりついて
俺の視線を塞ぎだす。

奴らは本当に品がよい。
田舎町には不似合いな
仕立ての良い背広着て
俺に歯茎を見せながら、
これを使えと差し出すものは
俺も持っている金金金

家屋敷があるのだからもっとお金は使えます。
お金を使えば儲かります。
儲かりゃも一つ家が買えます。
家を買えば金が湧き出ます。借りられるんです。
金金金で女も買えます。
いやっ女房だって買えますよ。

毎日毎日贅沢三昧




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