意識の底/アオゾラ誤爆
 
そうになったって
駆けだしたりしないよ


呼びなれた名前に
もたれるたびに外れる螺子
弱くなったさみしいひと
あとづけの意味すら思い出せなくなり
すべってゆく冷気をなつかしんだ




と、黙るのは
終わりの熱にうなされているから
ひとりの時間をわたしは結ぶ
鳴らない電話も
優しい凶器だ


緞帳が
おろされるように


わたしはあなたの温かさを
わすれたい気がしていて
幸福である事態を
極端におそれていて
安心なんていらなかった
横たわる膜の下
目をとじても知ってしまう


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