サドゥー研鑽/
秋也
風が吹く
半紙を靡かせ
老書家が
空で
「縁」と書く
砂埃
砂埃
巻き上げて
何枚も何枚も
生涯
最高傑作を求めて
尽きるまで
果てるまで
磨いていく
ここに在り
ここに我あり
ただ
我
他
居ず余白
最たる美ここにあり
書は空間なり
いつしか
老書家の周り
墨の華
大輪さかす
病
口に登る血
やや苦く
心地良し
まだ高める
ひたすらに
「縁」一字
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