こんなに しん としているのは/
ゆびのおと
ヒキコモリ
だからです
大気の中に遠く響く
かすかなたいこの音
よりも
何層にも重なり
ふい と入ってくる声の響きが
鮮やかで。
耳を澄ませてしまうのです
想うと
想わざるにかかわらず
沈黙に
耳を澄ますと
ガラスの万華鏡
乱反射する言葉たちの
色鮮やかな変幻自在に
固く
耳を閉ざして
聞く
ヒキコモリの 時間
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