始まり/
如月 小兎
手首を拘束して
気が狂ったかのように叫び続けて
流血塗れで愛の言葉を囁いて
「僕は生きてる」と呪文を呟いてみて
静かな部屋で枕を濡らしてみても
世界は何も変わらずに
僕の存在を消そうとするから
窓を開けてみた
真っ青な空に吐き気がする
眩しい光のせいで失明しそう
それでも世界は何も変わらない
そんな世界を壊そうと思ったので
僕は拘束された手首を引きちぎって
這いずりながら外に出た
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