世界中の人にそっぽ向かれた日のこと/ゐおり
 
「はじめて神様にお会いしたのは、あたしが五歳の時でした。

あたしは小さな森の入り口に立っていました。そこは、とても暗い、お月様もお星様も見えない夜の森。その森の奥に神様のおうちが建っているのです。
あたしが不安に思いながら足を踏み入れると、辺りがぱっと明るくなりました。それは神様の飼っていらっしゃる太陽でした。あたしの足音で目を覚ましてしまったのです。太陽はいくつも浮いていて、それらは次々に起き出しました。あたしは『ごめんなさい』と呟き、先を急ぎます。見張っているのか見送ってくれているのかは分かりませんでしたが、彼らはあたしが通り過ぎるまでずっと起きているようでした。
あたしが歩く敷き詰
[次のページ]
戻る   Point(1)