贋物の舟をだして/
吉岡ペペロ
贋物の舟をだして
ほんものの海をゆく
実際は泳いでいたのだが
贋物の舟にのってることにした
海をゆくディティールは
泳ぐ者のそれだった
海は偶然にみちていた
ほんものであるという証拠だろう
漕ぎだした舟はページを重ねて
最初と最後のつながる地点で
言葉ではとらえられない象徴と化した
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