家族の風景/
伊那 果
家族を思う言葉は
どうしようもないくらい陳腐
体だけには気をつけて
無理をしないで
母からの電話の結び
遠く離れてみると
ありがたさに気づきました
初めてのひとり暮らしのつぶやき
何もなくてもいいから
生きていてほしい
病床の夫への願い
幸せの形は似通っている、と
どこかの哲学者がいっていた
似通った中の一人であることを
かみしめて今日も
ラッシュにもまれる
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