ダイブ/M?lodie
 
真夜中。

ふと眼を覚ます瞬間がある。
見慣れた天井が、
突然偽者めいて僕を吸い込もうとする。
暗闇と静寂の中、
その木目を宙で擬えて、
負けないように息をする。
冷たい空気に、
肺の奥まで凍り付かせて、
想いを、
閉じこめた。
そうして、
忘れられないように蓋をしてきた。

今、眼を覚ます。
意識が浮上するより早く、
光の速度で、
僕を拘束するもの。
感触や輪郭をなぞって、
もう一度、
引き戻して、
すぐ隣へ。
深く深く眠って、
その正体を明かさないで。

自分で、
探し出すまで。

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