偽物メッキ/M?lodie
耳を塞ぐことも許されないなら
自分から捨ててしまえばよかった
だけどそれをしなかったのは
その瞬間に自分の全てを否定されることが
怖かったから
だけど生きること以上に
怖いものなんて無いことに気づいた時
自分の死に方は自分で選びたいというあたしに
死に方なんて日本語はないと
言い放った人に対して鼻で笑い飛ばしたら
ムキになった人を見て
それに気づいた自分に誇りを感じた
一番の絶頂期を迎えたと周囲が思った時が
あたしの崩壊期だった
その時を狙って全てを脱ぎ捨てたら
案の定周囲はあたしを一斉に否定し始めた
傷ついたふりをしてほくそ笑み、
ほくそ笑んだふりをして傷ついた
見えない傷が爛れて化膿していくのが
あたしの精一杯の誇りだった
安物の金メッキなんて
そんなもの纏えやしないと誰も気づかない
それ自体があたしの誇りの根源になっていること
誰か気づいた?
どうしてと聞かれても
今更教えてなんてあげない
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