英知/ホロウ・シカエルボク
し
そこから見える
いちばん遠い雲に向かってはっきりとした声で読みなさい
ふかく呼吸をしながら
あたりを騒がせないように叫びなさい
必要のない抑揚や
身振りをつけないように気をつけなさい
読んだのならば目を閉じて
その言葉がまだ自分の中に生きているかどうか確かめなさい
なぜどうしてそれを書かなければならなかったのかということを
決して突き詰めずにそれと悟りなさい
知ることが出来たなら山を下りて
こころをわけあえるものの
ぬくもりを知りなさい
あなたをつつむ空気には
どんなぶれ
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