終わる世界/e.mei
 





僕は雨の降る音が屋根を打つ南通りで白い犬の死体を見つけた
君は濡れた唇から僕の空っぽのお腹に向かって言葉を投げかける
窓のない部屋に隠れている少女の名前
雨の日に禁止された独立は星の瞬きと共に消えてしまった
春の雪を拾った白い犬はこの世界をすくうためにここで
死体をさらしているのだろう


君という記号が上がったり下がったりしている理由を僕は知らない
けど僕という記号とならんだ時には写真を一枚撮らせてくれないか
誰も知らない世界の終わりの
写真


(青い記号は鳥になって
 空低く飛んでいってしまった)


あの日君は何もない世界で唯一の記号だった
そこに僕はいない
あれからそこには君ではない誰かが訪れたのだろうか
いつの日にか
今日という記号の終わりには琥珀色した光りが降る
夜に流れていく青い鳥
窓のない部屋
風のない日に禁止された独立の意味
今日も永遠が永遠に終わらないかくれんぼをしているなら


早く終われよ


世界



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