Kid Aを聴きながら、床に思う/within
は再び死ぬのが怖い
心配はありません
痛みもありません
気付くこともありません
すぐ終わります
どんなに無について考えても
覚ることができないように
死も覚ることはできません
私は怖い……
そうですね 死ぬ一瞬前まで恐怖に
おののくでしょう
仕方のないことです
しかし何の心配もいらないのです
ワタシが傍らにいるのですから
そこで彼は笑う かすかに
雨粒がつくる湖面の波紋のほどに
空腹でもないのに若者が
にこやかに食事を運んできてくれる
もう動くこともままならない
抗うだけの力は残っていない
迫り来るものにおびえながら
先に逝った人々の末期を
枕元に吊るされた
十色の折鶴にみる
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