ビニール傘/
夏川ゆう
雨が降りビニール傘に映り込むカクテル色の街を染める灯
梅雨明けて影が濃くなる一方で「夏は暑い」と無言で語る
砂浜に流れ着くのはペットボトル手紙の中のメールアドレス
昼休み街で見かける会社員日差しを受けてシャツが眩しい
病院に行っただけでも日は暮れる受診、会計、薬局、様々
電池切れしたかのように終わる恋独り身に戻り寂しさを知る
待つことに慣れてはいない都会人ローカル線の時刻表睨む
親鳥が餌運び来る昼下がり小鳥の声が一曲作る
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