My 4th Story/都志雄
叔父さんと凧揚げしたのもこの川
台風一過の増水を父と見たのもこの川
あいつと夕陽を見たのもこの川
家出して夜を明かしたのもこの川
好きだった子の手作りを初めて食べたのもこの川
利根川の土手のシルエットには
思い出がたくさんつまっているけれど
ぼくは今また一人
九分九厘の夕闇の
残光の最後のきらめきに
まるで潜水艦のように浮かんできた感情を
紙屑のように丸めそっと川に投げ入れるすべを
ぼくは知らない
でもぼくはもう「ムコウガワ」の男(ビッグ・ボーイ)
そうさ
口笛吹いて橋を渡らなきゃ
冬の初めの4号線
ぼくの4th Story
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