あなたの右手は狂人だ/ホロウ・シカエルボク
 
のことを疑ったみたいだが、この人は寝ていただけなんです、と店の責任者が証言したので警戒を解いた、「災難でしたね」話が終わると警官はまたそう言った、きっと彼らの癖みたいなものなのだろう、俺は今度は笑いも答えも出来ず、ただ黙って首を横に振った、警官が家まで送りましょうと言ってくれた、パトカーの中で俺はずっと右手を固く握りしめてポケットに突っこんでいた「気を付けてくださいね」警官は最後にそう言った


眠るどころじゃなかった、その日は。














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