ナマエ/黒乃 桜
あなたが僕に付けた
「嘘吐き」って名前
しっくり来なかったけど
聞いた事あるような気がして
ほとぼりが冷めてまた
前の名前を呼ばれ出しても
その名をたまに
口ずさんでたりした
ある日あなたがただ微笑んでる
そんな横顔を見てた時
不意にあの名前が
頭の中 再生される
『あなたにお似合いの名前を見つけたよ』
そんな顔いつまでも
して欲しくなんて無いんだよ
『あなたはきっと忘れてるだろうけど』
そうさ
あなたが言ったんでしょ
私と君は よく似てる
100%になったモノほど
魅力を感じないモノなんて無いだろ
例えばそう 相性とか 愛情とか
おつりは要らないとかいう
それがちょっと重すぎたかなぁ
どうぞどうぞとあげたりしたけど
僕らは きっと そうだね
そんな名前と一緒なんだろうね
それは冷めたって
名前は 熱を帯びたままだったろう?
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