この空の底に/
あぐり
えない、(いえっていうの?)
あんまりにもふかいとこに
この空の底があるとして
それならば掬い取ろうとしているのは
わたしがほんの一瞬てばなした憂鬱な温もりで
もう色も見えなくなった
もう意味も消えた
翳した左手がなにかをつかもうとしていたなら
流れる血はかなしみの蒼だったにちがいなくて
なんどでもよんでなんていえない
この空の底に
きみがいるとして
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