もっと寒く/土灰
 
月灯りの夜に
澄んだ空気
しっとりと濡れた路
凍えるような風が吹く
僕はその風に
わざと身体を向ける

もっと強く吹け 風よ
もっと寒く吹け 風よ

寒ければ寒いほどに
僕の目は冴えわたり
闇へと開かれる
光ではなく
暗闇こそが
僕の機動力だ

もっと強く吹け 風よ
もっと寒く吹け 風よ


戻る   Point(1)