あるユダヤ人の部屋から/番田 
 

僕の国が返り討ちにしていた
ああ 誰もいない部屋から 溢れていく
人たちとして その声を
練習した 暗い国の言葉に

違う文化ではない僕は 夜のどこか彼方の
それにめがけて 向かって投げた
いるはずの旅行から さかんに 誰かの帰ってくる 
どこかを 連れてくる

この誰もいない日が 言葉に
ああ言葉は この彼方を 持ち込んだとしても
誰でもない僕が
言葉に 会うだけなのだけれど


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