女へ/カチキ
 
仕掛け部屋の様に四方が迫ってくる感覚
どうしようかめんどくさいな

気持ちのない言葉に浮かれて男は女を呼び捨てにする

まるで決まっていたかのように当然と部屋に居る

女の部屋に私物を置き始めテリトリーに入ってこようとする

不快だ
そんなしょうもない男に抱かれたあとの女の顔はきっと切ない

そっと鏡をふせる

やりきれない気持ちで吸うセブンスターはうまい
煙が愛しい

モヤモヤと考える
どうして微笑んでしまうのか
蹴飛ばしてやればいい
お家に帰ってまで仕事することないんだから
ねぇワズラワシイ

なんにも知らずに男は女に彼女という名の服を着せようとニヤニヤしている
ピンクのブラウス
女はボタンをはめようとすると苛々しては発狂し喚き倒してその時初めて本性をみせることができた

男はそれでも怯まない
女は男の心を折る決意をしてでもまた夜になると気が変わり
それは殺意に変わって記憶から消すことにした

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