夢で詩を書く/snowworks
 
 十時間も眠るとき、最後三時間の夢はオールフルカラー。あまりに手近なのに摩訶不思議な夢世界だから、これを捨てるのはもったいない。僕は夢で詩をつくることにした。
 まず辞表を提出。「夢を大切にしたいんです」と部長に言ったら「不況なのに結構なことです」と褒められた。早速帰りに一組布団を買って隣室にひいた。それからタバコ屋に行ってセブンスターを買い、店番の小娘に
「ちょっとバイトをお願い。夢関連の仕事なんだ」
「幾ら?」
「十分な分だけ。退職金があるし」
 小娘は承諾した。
 夕焼けが終わる頃には、僕は入浴・夕食を済ませていた。
「じゃ明朝五時ごろから頼む」と隣室の小娘にいって襖を閉め、僕
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