影の国/
月影 悠綺
誰もが皆 何かに急かされるかのように
何かに追われるかのように 行き交う途で
ただ 気づいてほしいと
それだけを願ってた
人は僕に気づくけど
「僕」には気づかない
ねぇ、誰か気づいてよ
僕ではなくて「僕」に
けれど人は気づかない
「僕」が密かに願っていることを
誰でもいい
でも「あの人」に気づいてほしい
そんな 矛盾した想い
他の誰でもない
「僕」に気づいてほしい
そんな願いが溢れて
輝く光の小さな雫になる
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