不眠/練
ふと口からもれた声は
どんな言葉のはじまりでもなく
そのまま枕にどさりと落ちた
わからないのは
今日のことと明日のことだ
そのあいだに佇めない弱さで
布団にたおれこむ
それさえひとりではできない
ずれないように合わせてくれ
全身を
なにものこさない今日のため
なにもえられない明日のため
こんなことしかできないから
だからいやなんだ夜は
こんなことでもしなかったら
朝はなおさらいやなんだ
続きを思いだそうとするように
なんどもなんども短い声を
たぶんそれは
眠れないひとの為に作られた
みじかい
おぼえやすい
歌だったのに
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