都会/
津島
誰もいない、誰もみない
透明人間のぼくは街を徘徊する
埋没されてゆく
溶け出してゆく
視線はすべてをすり抜けて
ただ、共有された孤独を愛している
やさしい無関心に抱擁された喧騒のなか
ぼくだけじゃない透明人間たちは
また、今日も
不必要に触れ合わない視線に
安堵するのだろう
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