鉄町の女(くろがねちょうのひと)/
花形新次
鉄町に住むからか
鉄の女と人はいう
私はそんなに強くない
錆びて疲れた心なの
二人歩いた鶴見川
今日はひとりで来ています
結ばれないのは知っている
信じたくないだけなのよ
たとえ貧しい暮らしでも
あなたとならば辛くない
お金じゃないのよ幸せは
クロガネーゼでよかったの
鉄の女と呼ばれても
泣いて明かした夜もある
愛しいあなたはもういない
哀しい女の忍び泣き
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