そして彼女は全ての夜に向けて祈った/テシノ
そう遠くへは行ってない筈だ
探せ!探せ!異端には制裁を!
世界に秩序を!そして汚れなき空気を!
飛び込んだ納屋にいたのは
かつて煙草吸いが飼っていた猫だった
うわっ、ちょっ、ご主人久し振り!
ああお前、お前生きていたのか
あの時は逃げるのに必死で
突然消えてすまなかった
いやまぁいいよ
始めはさすがに途方に暮れたけど
お皿に沢山カリカリ出してあったから
ああこれがさよならって事なんだなってわかったし
それより今も追われてるわけ?
煙草吸いが頷くと
猫は少し困った顔をした
ご主人、昔のよしみで助けたいのは山々なんだが、
そう言った猫の後ろから
キュウキュ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)