一瞬を越えて行け/小林 柳
 

道すがら懐かしんで
悲しい気持ちは旅路の上
異国の空へ投げ捨てるさ

もう半分は
いらなければ捨ててくれ
楽しかった事しか
残さないつもりだから
もしも悲しいときは
思い出に笑って
その事だけ覚えていてくれ

もう行かなければいけない
その時には
今を超えて進もう
瞬間を跳べるか
日々の境を
寂寥と希望の境を
越えて行け
動き出す雑踏の中
過ぎゆく一瞬を

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