晩餐非行/ICE
左手の其れは、悪魔のフォークさながら。しかし、何時までかかっても良いから、さあソース滴るテリーヌを召し上がれ。てらてらの断面を眺めていないで、違うと気付いてしまうから。知らないならば此れ程の物は無いだろう。
貴方の口は咀嚼している、のか喋っているのか分からない、ヒラヒラと二枚舌が覗いたと、思えばもう臆病な二枚貝は隙間も無く、唯段々とスピードは速くなっていくばかり。
デザートは用意しているけれど必要も無いかしらん。
なんと美しい、よく、も、まあ、最後から二番目の、晩餐。
一言、美味いと言えば終いだろうに。
戻る 編 削 Point(0)