柑橘サッカー/
笠原 ちひろ
駐車場のわきに
見知らぬ実のなる木があって
くるりとくれよんで描いたみたいな
小さなきいろい丸いのが
道にいっぱい落ちていた
わたしはつっかけサンダルの
ぴんくのつま先でそれを蹴る
蹴ってはころがし
蹴ってはころがし
きいろのまるはてんてん跳ねる
ころげる謎の柑橘!
とびちる果汁!
とびちらない汗!
ぽかりとうかぶ暇。
…暇だなぁ…
青空ときいろと暇
てんてんてん
ぽかりとそこだけ
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