ひかりのうた/木立 悟
 




裂かれてはもどる緑のなかに
ひらきつづける光の火があり
丘へと至る坂を揺るがし
空の端をふるわせ ひびかせ
倒れゆく巨大な手の姿
燃え上がる風の柱となって
空を太陽の輪でとりかこみ
光の底の底の光の
分け切れぬはずの重さを分け与えてゆく
洗われた命へと分け与えてゆく



遠く困難なものだけではなく
近くたやすいもののなかにも
光のかたちは渦まいている
まるくふくらみ
出口を求めて
坂に迷い
丘に迷い
噴き上がるように
噴き上げるように
空に空を手わたすように
高みへと高みへと咲きひらく





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