ひみつきち/
ミツバチ
「しーっ」
声をひそめた
二人の小さな世界は
好奇心とドキドキで
光を放つ
幼い横顔の天使は
森の奥に住んでいて
いつか来る
ヘンゼルとグレーテルを
お菓子の家で待っているの
そんなお伽噺をする
君の唇は赤くて
食べちゃった
甘いケーキのように
柔らかくて
握った手が濡れていく
「秘密だよ」
星屑が降る暗闇に
約束を交わした
唇に指を立てる
君がとても可愛くて
くすくすと笑いあった
一時の世界は
風に乗って
三日月と戯れる
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