China Price−あの子と私/うめバア
 
すよと
涼しい笑顔を、向けるだけ

明日、仕事がなくなろうが
構うもんか
稼げるだけ、稼いで生きると言って
突っ走る人々のエネルギーは
買いたたかれる
モノはどんどん安くなり
不思議なほど簡単に手に入る

明るく楽しい広告が
いつだって、世界を変えてくれるはず
何かがおかしい、もうたくさんだ
そんな声が聞こえたとしても
え、気のせいじゃない? 考えすぎだよ

世界は小さくなり、流れは速くなる
そして
私はようやく知り始める

黄色い電車で話す彼女たちと
中国で衣料品をつくりつづける彼女たちと
ネットで仕事検索をしつづける私
互いに目を合わせることもなく
共有する空間も持てず
引き離されているけれど

はたらくことの凄まじさ
お金を取ることの激しさで

つながっている

だから
たとえ使い捨てだって
意味のないものなんて
何もない

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