都合いいアレ/中原 那由多
乳白色の制服がやぶれ去り
ひとつだけ取り残された違和感
ありふれた毎日を引き延ばしてやれば
いとも容易く包み込まれてしまう
そこまで小さく押し固めることが出来たのは
紛れもなく私自身だった
トンネルを開通させるのは不可能だったが
そこを埋め立てる作業はやたらと簡単だった
ろくに技量もないままに
見よう見まねのなんちゃって
それでも同じように汗をかいている
蜘蛛の巣のように広がった
ライフサイクルの片隅にて
頭を冷やせば広がる視野
二者択一の凹凸に
つまずき転んではっとした
名目上での自己嫌悪
片付けることに没頭し
装飾品まで処分する
ありきたりな風景画も
逆さに飾れば二度おいしい……かも
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