木の葉で作ったあの子の似顔絵/キタノ
欲しいものが実は大きくて、そのくせ胃袋が本当に小さくて、今にも皮膚を突き破って破片になって大地の汚れになればいいな、そうなりたいな、なりたい。ということを夢想しようが実際に起こり得ることではなく、酷く、酷く寂しく夢のない話、泣きそうなほど、僕は閉じ込められていて、ドアを叩きもしないその部屋の名は『よろこび』。そういう悪夢があっても、あるいはいいだろう。
決してたどり着いたりしないよ、『行ったり来たり繰り返すのさ』、一人一人がそういう部屋に入って、触覚を触れ合わせて幸福を味わったりして、今この時も、生きてる。
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