ジェンガング/影山影司
 
だ。それでも僕は感じているのだ。ジェンガが崩れる。いや、僕が崩している。ジェンガの崩壊が、世界の崩壊だ。


 公園からの帰り道、僕は家までまっすぐ帰らずに、知らないわき道に入っては太陽の方向を見ながらに帰る。その日は傾いてキラキラの白色を散らす太陽にすらジェンガが見えた。極太のタワーはいまだ崩れそうな兆候も無い。僕は安心した。車なんてちっとも通らないアスファルト道路のジェンガを踏みつける。
 今の僕なら、きっと秋の風にだって、何かが見えると思うんだ。よ
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